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農薬や化学肥料を使わない有機栽培の食品のことです。
自然の恵みのなかで、本来植物が持っている新鮮さや味と栄養を失わないで食べれる安全・安心・おいしい食品です。
( 目次 )
有機農業とは? 世界の有機農業の取組み
有機農業の目的について 日本の有機農業について
改正JAS法について 輸入野菜について

(無農薬有機栽培のピーマン畑)
1. 有機農業について
1)
有機農業は、農薬や合成化学肥料を使用しないことだけでなく、自然の生物学的循環を活用していくという考えが基本です。
有機農業は、植物生理学、育種学、土壌学、畜産学などの科学の成果を積極的に取り入れることが発展を促すとういこともも理解する必要があります。
2) 有機農業とは、合成化学肥料、農薬、成長調整剤及び飼料添加物など人工薬剤の使用を全面的に回避するか、大部分を排除する生産方式である。有機農業方式は、土壌の生産力と肥沃度を維持し、作物に養分を供給し、そして昆虫、雑草その他の病害虫を防除するのに、実行可能な極限まで、輪作、作物残滓、家畜糞尿、豆科植物、緑肥、農場外の有機性廃棄物、機械中耕、無機養分含有岩石、及び病害虫の生物学的防除に依存する」(アメリカ農務省)
2. 世界の有機農業の取り組みは
1) 世界で有機農業を行っている国は、50カ国以上です。規模的には、アメリカがトップで生産者数は約3万人、有機農業面積が全農業面積の1%弱、有機農産物のマーケットも急速に拡大しています。
ヨーロッパでは、2001年時点で、有機農家の全農家に占める比率が2.08%、有機農業面積の全農業面積に占める比率が3.23%、特に、オーストリアでは、前者のj比率が8.71%、後者が8.37%と高い水準になっています。ヨーロッパ中部・北部の諸国の先進地域では、後者の比率を10%以上にする目標を掲げています。
2) 有機農業の始まりは、19世紀にドイツで起こった自然食と自然衛生を探求する運動だといわれています。
その後、1940年にイギリスのアルバート・ハワード卿の著作であるAn Agricultural Testament(農業聖典)に書かれた、腐葉土を用いて土壌の生物学的均衡と肥沃度を高めようとした説は有名です。
彼は、当時のインドの食糧問題に関して、エネルギー多消費型の西欧農法でなく、インドの伝統的な耕作と牧畜を組み合わせた農法を取り入れるべきだと主張していました。現在、インドで大きな問題になっている合成化学肥料、農薬を使った農業の疲弊を先見していたと言えます。
3) 1972年「国際有機農業運動連盟」(IFOAM = Iternational Federation of Organic Agriculture Movements)が設立されて転機を迎えます。フランスのヴェルサイユで開催されたこの連盟には、世界の約60カ国、約400団体が参加しました。その役割は、国際的な有機農業運動の情報連絡機関として活動したり、各国の有機農業に関する基準のモデルとなる国際的有機農業基準などを定めたり、国際的調整機能として動いています。
4) アメリカのでは、1985年農業法で有機農業に関する研究や普及事業にたいする積極的取組みを義務付ける「1985年農業生産性法」(有機農業の研究促進法)が制定された。「1990年農業法」で「有機農産物に関する国定基準が制定された。
5) 「地球の温暖化」の進行による地球規模での急激な気象変動、地域的降雨量の激変、南北両極地での基本上昇による氷解・海面の上昇、砂漠化の進行などが、世界の農業を基本から考え直さねばならないことを要求しています。
3. 国際有機農業運動連盟(IFOAM)の有機農業の目的に関するガイドライン
栄養的に高品質の農産食料を十分な量生産すること。
自然のエコシステムを支配しようとするよりもむしろ、これとの調和の下に農業を行うこと。
微生物、土壌中の動植物相、栽培植物、家畜を大切にしつつ農業システムの中で生物学的な循環を促進し、多様化すること。
長期的に土壌の肥沃を維持し、改良すること。
可能な限り、自然の資源であって、ローカルフェベルで再生できるものを使用すること。
有機物資源と栄養成分に関して、できるだけ自給可能な農業システムを作り上げること。
すべての家畜に、できるだけその特有の性質を発揮できるような生活条件を与えること。
農業活動から生じうるあらゆる形の環境汚染を避けること。
野生の動植物の保護を含め、農業システムとその環境の遺伝的多様性を維持すること。
農業者に、正当な収入とその仕事にたいする満足感を得られるようにし、安全で健全な労働環境を与えること。
栽培技術の環境と社会組織に与えるインパクトを考慮すること。
有機農業は、長期的で変化に富んだ輪作体系と適切な栽培技術を必要とし、有機農業者は、畜産と組み合わせた多品目栽培とローカルな動物品種、病害虫抵抗性の高い直物品種を基本とした多様化した生産システムであるべきだとしている。
4. 日本の有機農業について
1) 1970年中ごろから、一部の農家が独力で有機栽培を始めたのが、日本の有機農業の始まりだといえそうです。
この時点では、農林水産省などの政府機関の有機農業に関する取組みについては報告されていません。
1987年に、自民党の一部議員による「有機農業研究国会議員連盟」が発足し、有機農業が政治のテーブルの片隅に乗ったわけですが、その後、この動きは大きくならずじまいでした。
2) 1990年代に入り、有機農産物の不当表示が社会問題になりだし、消費者団体などがこの問題にたいするシンポジウムなどを開催し、一方でアメリカやヨーロッパにおいて有機食品に関する規則を制定するなどの動きが活発化したこともあり、農林水産省で、やっと、1972年に「青果物の有機農産物等特別表示ガイドライン」を制定する動きがでてきました。
3) その後、ガイドラインの見直しなどを経て、1999年7月に「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(改正JAS法)が制定されました。
改正JAS法制定後の実態としては、有機農畜産物のJAS生産基準、表示に対する指導偏重傾向(管理主導型)がみられ、本来必要とされる有機農業育成のための総合的な制度整備はなされておらず、今後の大きな課題となっています。
4) 2000年時点で、無農薬・無化学肥料栽培に取り組んでいる農家は、全国で13,378戸、全国の販売農家に占める比率は0.57%と少ない。前記のオーストリアの8.71%、ヨーロッパ全体の2.08%の比べてもその遅れが目立ちます。
JAS有機認証制度では、海外の有機農家の認証も行われており、国内の認証された有機農家は、3,734名に対し、2002年時点のこの制度での海外の認証有機農家は、1,979名で、これは全体の34.6%を占めます。今後の輸入有機農産物の拡大が予測されることからも、有機農業育成の為の制度整備が急がれるわけです。
5. 「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(改正JAS法)の内容
改正JAS法の内容は下記、農水省ホームページから
http://www.maff.go.jp/soshiki/syokuhin/heya/kai-jas-yuukiatukai.pdf
6. 輸入野菜
日本の野菜(生鮮・冷凍)の輸入実績は、1,574,672トンです。輸入先国の1位は中国、2位はアメリカとなっています。
両国とも、農薬・化学肥料使用が多い国です。
2001年の日本の野菜の収穫量は、15,647,000トン、出荷量は、12,627,000トンですから、消費される野菜の約11%を輸入野菜が占めることになります。
生鮮野菜の輸入量と金額(2001年・農水省)
順位 国名 数量(トン) 金額(百万円)
1位 中国 366,435 38,848
2位 アメリカ 194,946 20,698
3位 韓国 38,664 11,053
4位 ニュージーランド 147,530 10,047
5位 メキシコ 28,700 5,382
全体 輸入合計 855,443 106,203
冷凍野菜の輸入量と金額(2001年・農水省)
順位 国名 数量(トン) 金額(百万円)
1位 中国 292,098 45,434
2位 アメリカ 291,175 34,058
3位 台湾 23,6253 5,089
4位 タイ 22,937 4,880
5位 カナダ 37,915 4,328
全体 輸入合計 719,229 103,024