文部科学省のコミュニティ・スクールの取組みについて
 今、戦後教育が大きく変わろうとしている。
1984年(昭和59年)、戦後教育の総決算と標榜して設置された「臨時教育審議会」では、第三の教育改革とも言われる「小中等教育改革」「高等教育改革」「21世を展望した教育の在り方」などが部会で検討・審議されその時には法制化されることはなかったが、その後、2006年の新教育基本法改正に繋がったと言われています。。
1985年は、校内暴力、学校崩壊の多発、いじめ問題の深刻化など、教育現場の「荒れ」が社会問題ともなった。そして、2000年の「教育改革国民会議」、翌年の省庁再編による文部科学省の発足を経て、2002年の新教育指導要領が全面実施されつことになった。
2004年(平成16年)には、コミュニティ・スクール「学校運営協議会制度」が法制化され、翌年には13校がコミュニティ・スクールに指定された。その後、相次いで指定校が増え、2017年には3,600校が指定されることになる勢いです。
 
1.文部科学省が進めるコミュニティ・スクールの社会的背景

昭和50年代以降、国内の学校教育現場での校内暴力・いじめ・問題行動・不登校など、いわゆる「学校の荒れ」や「児童・生徒が抱える問題」などが社会問題化し、また、ゆとり教育などの制度の変更による副作用として学力の低下などが顕著になってきた。
一方で、急激なグローバル化、情報化、政治・経済の大変動、さらに、少子高齢化など人口問題も含め、社会が大きく変動している。そのような社会環境の中で生活する子ども達の教育において、もはや、学校教育現場では、学校が自力で、多発する種々の問題を解決していくのは困難になっている。その様なことを背景にして、文部科学省は、「開かれた学校運営」、「地域の教育力を活用した学校教育」、「学校施設の開放」を進めることにより、「地域・家庭・学校が連携して、学校を運営し、児童・生徒を育成する」コミュ
ニティ・スクール(学校運営協議会制度)に取組むこととになってきました。

 

2.文科省が進めるコミュニティ・スクールとはなにか?
「開かれた学校」から「地域とともにある学校」へ
一言で言えば、コミュニティ・スクールとは、学校運営協議会を設置した学校です。
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)コミュニティ・スクールの定義
コミュニティ・スクールとは、「学校運営協議会」を設置している学校であり、学校と保護者や地域住民がともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させることで、一緒に協働しながら「子どもたちの豊かな成長」を支え「地域とともにある学校づくり」を進める仕組みです。

2)コミュニティ・スクール「学校運営協議会制度」(平成16年)(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第47条の5
 @学校運営協議会の設置:教育委員会が、学校や地域の実情に応じて設置する学校を指定する。 A学校運営協議会の委員の任命:教育委員会が任命する。
 B学校運営協議会の役割
コミュニティ・スクールには保護者や地域住民などから構成される「学校運営協議会」が設置され、学校
運営の基本方針を承認したり、教育活動などについて意見を述べる。
 <3つの役割>
 ◇「校長の作成する学校運営の基本方針を承認する」
 ◇「学校運営に関する意見を教育委員会又は校長に述べる」
 ◇「教職員の任用に関して教育委員会に意見が述べられる」 

3)コミュニティ・スクール設置推進目標
コミュニティ・スクールの指定校は、平成17年は13校であったが、5年間で、全公立小中学校の1割(約3,000校)に拡大すると平成25年に閣議決定された。そして、平成284月現在の設置数は2,806校、平成29年は3,600校になる予定である。

 
3.文科省のコミュニティ・スクールの取組みの経緯
平成12年に、学校評議員制度が法制化され、平成16年にコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)が法制化されて、本格的にその事業に予算が付けれるようになったのは、平成24年からです。

平成12

・学校評議員制度の法制化

・学校が家庭や地域と連携協力して子ども達の健やかな成長を図るために地域に開かれた学校づくりを推進する。地域住民の学校運営への参画の仕組みの制度

平成16

・コミュニティ・スクール「学校運営協議会制度」

・教育委員会が、学校や地域の状況に応じて学校運営協議会を設置する。(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第47条の5

平成17

・CS(コミュニティ・スクール)指定校
・義務教育の構造改革

・コミュニティ・スクール指定校:17
・中央教育審議会が、「新しい時代の義務教育を創造する」を答申し、文部科学省は、この答申の趣旨を踏まえ義務教育の構造改革を進める。
平成22

・CS指定校

・コミュニティ・スクール指定校:629

平成24

・コミュニティ・スクールの事業予算

・コミュニティ・スクール導入促進の調査研究事業:42.6百万円(142校) 導入予定校の制度運用方策研究、教員の加配措置+130万円(研究2年)
・コミュニティ・スクールの充実・改善の実践研究事業:17百万円 コミュニティ・スクールでの熟議と共同の充実の研究:1地域1百万円<7地域> コミュニティ・スクールのマネジメント力強化の研究:事務職員の加配+110万円<100校>

平成25

・中央教育審議会答申

・コミュニティ・スクール関連予算

・コミュニティ・スクールを全公立小中学校の1割(約3,000校)に拡大する。・中央教育審議会答申(平成251213日)『今後の地方教育行政の在り方について』学校運営の充実や、学校・家庭・地域の協働体制の構築、コミュニティ・スクールや学校支援地域本部等の拡大と充実の支援を推進する。
・コミュニティ・スクールの実践研究事業:60百万円 コミュニティ・スクール推進委員派遣事業:9百万円 コミュニティ・スクールの説明会、フォーラムの開催:20百万円 コミュニティ・スクールの熟議と共同の充実実践研究:12百万円 コミュニティ・スクール推進委員派遣事業:9百万円 コミュニティ・スクールのマネジメント力強化の研究:20百万円

平成26

・コミュニティ・スクールの指定校

・中央教育審議会答申

・コミュニティ・スクール関連予算

・コミュニティ・スクール指定 1,919
・中央教育審議会答申(平成267月)『今後の地方教育行政の在り方について』小中一貫教育の制度化に加え、方策としてコミュニティ・スクールとの組み合わせでの実施が有効であると提言
・コミュニティ・スクール関連予算(総額103百万) コミュニティ・スクール導入に関する実践研究:53百万コミュニティ・スクール推進員派遣事業:9百万
説明会、フォーラムの開催:20百万
 コミュニティ・スクールの熟議と協働の充実に関する実践研究:4百万  コミュニティ・スクールのマネジメント力強化に関する実践研究:10百万 

平成27

・コミュニティ・スクールの指定校
・コミュニティ・スクール関連予算

・コミュニティ・スクール指定 2,389
・コミュニティ・スクール関連予算概算要求 総額179百万 コミュニティ・スクールの導入促進、取組の充実、研修の充実:157百万 コミュニティ・スクール推進員派遣事業:22百万 

平成28年 ・コミュニティ・スクール関連予算 ・コミュニティ・スクール指定 2,806校
・コミュニティ・スクール関連予算概算要求 総額160百万
平成29年 ・コミュニティ・スクール関連予算 ・コミュニティ・スクール指定 3,600校
・コミュニティ・スクール関連予算概算要求 総額162百万