環境問題について   オーガニック食品について    
狂牛病などの食肉問題 健康によい「そば」
遺伝子組み換えの生態系への影響         home
 
 
人口爆発で、地球上の口数が増えれば増えるほど、それに見合う食料の生産が求められ、利益至上主義のガリバー企業があらゆる手段を駆使して、莫大な量の食物を生産し、全世界に供給しています。
そして、そのことが、農業を根本から変えていると・・・。
稲作を起源とする農業の歴史で、今、渦中の遺伝子組み換え食品ほど、食品を根底から変えようとしているものは無いと言えます。
人は、何千年ものあいだ、自然の生態系に根付いた遺伝子プロセスを利用して、野生の植物をすこしずつ変えてきました。農業の歴史のなかで、農家が多種多様な品種のなかから優れたものを選んで栽培し、種子の保存・伝播を継続してきた、このような努力の成果として、食品は安定して供給され、栄養価は高くなり、食品の価値は高められてきました。
しかし、少なくとも現段階では、食べものとしての安全性や他の植物への侵食性による生態系への影響などが、なんら実証されることもなく、世界の有数巨大企業により栽培された遺伝子組み換え食品が、我々の知らないうちに、スーパーマーケットなどで販売され、食卓に供されているのが実態です。 
1. 遺伝子組み換えとは
植物の遺伝子組換えを簡単に言えば、例えば、イチゴなどの野菜に、魚などの生きものから取り出した遺伝子(DNA)を組み込むこと。
農薬を使用する変わりに、殺虫力のある細菌の遺伝子をトウモロコシに組み込んで、殺虫毒素を生産させ、害虫に強く大量生産向きの新種のトウモロコシを創り出したり。
太古から、生物の進化に伴い、自然の生態系において、地球上の生物の種と種を隔てることにより、生態バランスが保たれてきました。それが「種の壁」と言われています。
従来の品種改良では、その「種の壁」を越えることは無いとされてきましたが、遺伝子組換えでは、簡単にその「種の壁」を超えることができる。そのことで、どのようなことが起こるのか、予測不可の未知の領域に踏み込んでいるわけです。
2. 遺伝子組み換えの問題点
「予測不可の未知の領域」とは、どういうことかと言いますと、遺伝子組換え技術の歴史が浅いこと、正確さが実証されていないこと、また、遺伝子組換え先の遺伝子にどのような影響が与えられているか予測できないこと、現在は初期の段階で実証例もないことなど、生物の体の構造への影響の安全性を誰も明確に説明できないことです。
遺伝子組換え食品についての取り組みが早いEUでも、遺伝子組換え食品の市場への投入に先立ち、安全性を評価して承認するという規則を定めたのは、1990年です。1991年には「遺伝子組み換え生物の環境放出に関する指令」が施行され、個々の食品についてEUメンバー国当局が審査を行った後、承認が行われることが定められ、EU全体として一定の同意がなければ承認されないことになりましたが、1999年になって欧州15カ国のうち12カ国が、新規の承認について同意しない方針を政治的に宣言し、新規承認は実質的に凍結されることになりました。2001年には指令が改正されて新規許可が可能になりましたが、一部の国では依然として凍結を継続することを表明するなど混乱している状況です。
一方、日本では1991年に、厚生労働省が遺伝子組み換え食品の安全性評価指針をまとめました。その後、開発・実用化が進んだのを受けて、2000年に食品衛生法を改正することを決め、2001年4月より安全性審査を受けていない遺伝子組み換え食品は食品衛生法上、流通してはいけないことになりました。
農業1万年の歴史の長さと比べ、やろうとしていることの大きさを考えると、いかに、未熟な段階であるかが理解できます。安全性の結論を出すのは時期尚早なわけです。
3. 遺伝子組み換えの実例をどのように考えるか?
1)体細胞クローン羊のドリーの場合
成体ほ乳類初の体細胞クローンとして、1996年7月に誕生したドリーは、当時の全世界に衝撃をもたらしましたが、重度の肺疾患を抱えていることが判明し、2003年2月に安楽死させられました。解剖の結果は、まだ、未発表です。
2)日本の体細胞クローン牛の場合
◇日本の厚生労働省の研究班は「クローン牛特有の要因によって食品としての安全性が損なわれることは考えがたい」との報告書をまとめ、同省は報告書の内容を、2003年7月に設立される内閣府の食品安全委員会に諮問し、安全性について最終判断する方針とのこと。
研究班は国内外の研究機関が作った体細胞クローン牛の成育状況や血液、繁殖機能などを一般牛と比較した結果、安全性が損なわれるとは考えられないと結論づけたようです。ただし、報告書の中で「新しい技術であることを踏まえ、慎重な配慮が必要」とも指摘しています。
主な先進国で体細胞クローン牛の流通を認めている国は今のところありません。これまで出荷自粛を求めてきた農水省も流通解禁の検討に入るそうです。
過去、日本の行政は、公害やHIV感染、狂牛病問題などに対して、「予防と対策に対する思想と危機意識の欠如、国民の安全を何よりも優先する気概の無さから、相当の被害がでて国民が猛反発しないと動かない、」ことを露呈してきてますから、このこともそう簡単に信用するわけにはいかないというのが実態だと言えます。
「体細胞クローン牛」とは?
成長した牛の体細胞から、遺伝情報を含む核を取り出し、核を抜いた未受精卵に移植して雌牛の子宮に入れ、誕生した牛で、体細胞を提供した牛と同じ遺伝的形質を持ちます。日本では98年に初の体細胞クローン牛が生まれたました。しかし、死産や病死の率が高く、マウスや羊でも先天異常などが報告されています。受精卵の核を使い雄と雌両方の形質を受け継ぐ受精卵クローン牛は、すでに市場に流通しています。(2003年4月11日毎日新聞)
3)遺伝子組み換えのトマトの場合
アグリビジネスのUSA企業 カルジーン社が開発した「フレーバー(風味)・セーバー(保持)」トマトが、1994年にアメリカ食品医薬品局で販売認可され、遺伝子組み換え食品として販売しましたが、その安全性に批判的な当時の消費者やマスコミの反応で、売上が上手くいかず、結果的に、1996年にマーケットから姿を消しました。
このトマトは、熟成酵素を作る遺伝子を取り出して、その反対の暗号を持つ遺伝子をそのトマトに組み込んで、日持ちをよくして収穫までの期間を長くし、また、収穫後の熟成を遅くすることで、生産と販売効率を上げようとしたものでした。
この計画の問題点は、
◇遺伝子組み換え食品を疑問視した消費者が買わなかった。
◇野外の畑では、実験室のように上手く育たなかったので、人件費の安い国で生産する当初の計画が実現できない。
◇柔らかい熟した状態で収穫して市場に出す輸送に、既存輸送手段(未熟状態で輸送する)を使えない。
◇遺伝子組み換え時点で、抗生物質(カナマイシン、ネオマイシン)への耐性遺伝子が組み込まれており、この遺伝子が人間の消化器官の細菌に入り込めば、人間がこれらの抗生物質への耐性を確保するという恐れがあった。
4)遺伝子組み換えのターミネ-ター技術を使った種子の場合
遺伝子組み換え植物に自身の種子を生成しないようにする技術(ターミネ-ター)を現サンモント社(USA)が、特許を取得して新種の遺伝子組み換え植物の種子マーケットシェアの独占を狙って批判を受け、1999年末にターミネ-ターを商品化しないことを発表した。
このことは、ターミネ-ター種子を使用すると、植付けの都度、新しい種子をその会社から買わないと作付けできないという、従来、農民が自家採取を伝統としてきた種子の確保手段を根底から覆すことになり、特定の企業の独占化を許し、消費者の安全性を脅かすことになります。
また、この種子の作物の花粉を、昆虫や風が他の作物に運び、種子の発芽能力が無い作物が拡大するという危険、このターミネ-ターに使用された抗生物質を含む作物を食べた人に対して、医療面で影響が出るかも知れない、ということも考えられます。
5)遺伝子組み換えホルモンを使った乳牛の牛乳は安全?
子牛を生んだばかりという錯覚を雌牛に起こさせ、産乳量を増やす遺伝子組み換えホルモン(組み換え牛成長ホルモン・サンモント社が開発)の使用を、カナダ政府は1999年に禁止した。一方、アメリカ政府は1993年に農民・消費者の批判に関わらず使用を認可している。
   
これを使用すると、雌牛は乳房の感染症を起こしやすくなり、搾乳された乳は、、感染症による膿、その治療に使用された抗生物質、高濃度のインシュリン様成長因子(人間の乳がんと胃腸がんの原因)で汚染されていると言われています。また、雌牛の健康にも深刻な影響(子宮疾患、早産など)を与えています。
現在、アメリカでの組み換え牛成長ホルモン使用反対運動は増加し、使用乳製品の売上が減少、未使用表示をする会社も増加しています。それとともに、有機牛乳の売上が急増しているという逆減少が出ています。
4. アレルギーはタンパク質と大きく関係がある?
タンパク質は、人間の生理機能に大切な役割を持っています。
遺伝子は個々のタンパク質を作り、その集合体が生物です。
遺伝子組み換え食品の問題点としてアレルギーが重要視されるのは、外来のタンパク質がアレルギーの原因だと考えらているからです。
人間のアレルギーは、花粉症、アトピー性皮膚炎など様々の症状があります。